splus okinawa diving service

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夏至東風が終わり、いよいよ夏本番で穏やかな日続く沖縄です。連日の真夏日で水温も上がり、とても快適にダイビングが出来ます。

今日から2日間古宇利島エモンズでのファンダイビングです。天気や海況は抜群に良く、潮流もほとんどないベストなコンディションです。

初日は、エモンズの概要と船体の現状について説明していきます。

1945年4月、太平洋戦争末期の激戦地沖縄に参加した全長106mの巨大な駆逐艦USS EMMONS(エモンズ)は、沖縄本島周辺の機雷除去任務のため沖縄に向かったところ、新田原陸軍飛行場から出撃した日本軍の大規模な攻撃を受けました。九八式直接協同偵察機5機によってほぼ同時に特攻を受け、うち1機が三番砲塔の喫水線付近に突入して弾薬庫を誘爆させ大爆発を起こし、自走不能となりました。敵の手に渡ることを避けるため海没処分とされました。この戦闘でエモンズの乗組員60名が戦死し77名が負傷、特攻した日本軍の乗組員も戦死したと伝えられています。

78年間もの間、沖縄県今帰仁村古宇利島沖合の海底45mに眠る巨大な船体。過去に日米が戦った戦跡が同時に見られる場所で、世界的にも稀で貴重なダイビングポイントです。

エモンズは船体右舷側を下に鎮座しており、船首左舷側の錨は原形をとどめています。

船首部の大きな穴は処分時に「艦番号を見えなくするため」に米海軍僚艦の砲撃によって破壊されたものです。この穴が徐々に大きく崩れてきています。

船首部甲板には、1、2番砲塔の5インチ砲はその威容をとどめています。

船体中央部には慰霊のプレートが取り付けられています。

攻撃を受けた後部側は、甲板がめくれ変形したスクリュー等がかろうじて船体に取り付いています。

甲板上にあった40mm機関砲は台座ごと崩れ落ち機関砲の先端が海底に埋もれています。

掃海具(パラペーン)は船室の壁に立て並べて収納されている姿はそのままです。

深場での限られた時間は本当に貴重なものです。エモンズでのレックダイビングを通じて多くの方々にこの姿を知ってもらい、戦争の悲劇を今に伝えなければなりません。エモンズは海底に残された当時の乗組員兵士の墓標なのです。歴史から現在の平和に感謝して、この貴重な海底戦跡を未来へ長く残していきたいと思います。